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ナルダン楽器TOPページ > この人、この技、この商品 |
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「ナルダン」
戦後、祖父の初代岩田初由がシベリア抑留中に”弾けば鳴る”の意から「ナルダン」のブランド名を考案。昭和22年に帰還し、敗戦で心の拠を失った国民にせめて音楽で慰めができればとギターの製作と販売に取り掛かる。
初めギターを作っていた関係で古賀政男氏と親交があり、その後「ナルダンハープ」「ナゴヤハープ」のブランドで大正琴の製作も始める。
昭和46年に2代目岩田廸弘が継承。
大正琴製作専業に方向転換し、生産体制をより充実させ本格的な大正琴づくりに取り組む。
昭和55年にはより多くの人にナルダン大正琴の澄んだ音色に親しんでもらおうと大正琴演奏指導教室を開設し全国の愛好者へ大正琴の普及に努める。
現在も大正琴教室「澄音会-すみねかい-」の会主を努め子どもからシニアまで幅広い層に指導活動を行う。
平成20年に3代目岩田茂が継承し現在に至る。 |
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【初代新聞掲載写真/S.45年】 |
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【2代目新聞掲載写真】 |
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自宅からすぐのところに事務所兼作業場があり、子どもの頃は作業場を覗くと木を削る音や弦を巻き上げる機械音が鳴り響き、自宅では大正琴教室を開いていたため家の中では日常的に大正琴の音色が聞こえていました。
これまでただ何となくながめ、耳にしてきた大正琴でしたが、私が大学生の時に父が病気で長期入院することになり、2代目である父から「留守の間、製品の製造管理を任すがやってみないか」と言われ、その時にはじめて家業の大切さを認識しました。
当時は覚えることが山のようにあり、音を左右する木材選び、乾燥、組み立て、調律。学校から帰るとすぐに作業に取り掛かり、父の入院する病院に何度も脚を運び、大正琴を持って詳細に作業工程を指導してもらったのを今でもしっかりと覚えています。 |
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【3代目大学生時代の新聞掲載記事】 |
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これまでTV通販や楽器卸、大正琴教室への販売を主に展開しておりましたが、1999年にインターネットでナルダン大正琴を掲載したところ皆様から多くのご意見やご要望を頂き、そのなかでより深く大正琴に取り組みたくなりました。
楽器の材質や寸法、弦やパーツの素材や形状を再検証。試行錯誤を繰り返し、数字化し図面化することでより大正琴づくりの楽しさを知りました。
理屈は分かっても当然のことながら弾き手あっての楽器です。音にして納得するまでに時間は掛かりましたが、音色に厳しい父から太鼓判を頂いた時はとても嬉しかったです。 |
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ナルダン楽器では大正琴に最も適した木材、アガチス材や山桑材、高級桐材を使用しその選別から始まります。
材料の質や乾燥は大正琴の音色に大きく影響してくるため、「寝る子は育つ」のごとく天然乾燥でゆっくりと寝かし乾燥させ歪みや変形、ピンホールなどをしっかりチェックしより良い材を厳選していきます。
特に山桑材や桐材は木目がとても美しく、それぞれに表情が違いひとつとして同じデザインが無いため、この時点で仕上がりのイメージがとても楽しみになります。それぞれの材質に合わせて天板と本体の木目の柄の組み合わせを揃えています。 |
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木材の材質ごとに大正琴に適した厚みや寸法に製材して製造に取り掛かります。
製材された木材をひとつひとつ丁寧に貼り合わせ、音の響きを良くするための力木を取り付け箱型に加工していきます。箱型にした本体に糸巻き、サウンドホールなどの穴開け加工を施し、指板を取り付けます。
ナルダン大正琴の特徴でもある糸巻部分には無垢材を使用し、本体と一体化させ直接くり抜いて加工することにより音の響きが良くなり音響効果が高まります。
この作業は、材のコストと手間は掛かりますが生の音色を大切にするナルダン楽器ならではの先代から変わることなく受け継がれている手法です。
昔ながらのこだわりと新しい技術を取り入れながら様々な機種や仕様に合わせて加工しています。 |
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本体の加工が施された後、研磨を行います。
木地の研磨は表面を滑らかにするためにサンドペーパーの目の粗さを段階的に変えながら何度も繰り返し行います。
見た目や手触りで細部まで確認しながら、最終的には手作業でも磨いていきます。この手間が後の塗装の仕上がりに大きく影響します。
下地づくりを大切にすることは、女性の方のお化粧と同じことが言えるかもしれないですね。
一台一台手間をかけて磨きをかけることで楽器への愛情がぐっと深まります。
このあと信頼のおける国内の塗装所へ塗装に出します。 |
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塗装された本体にひとつひとつ部品を取り付けます。
大正琴に使われる部品は弦楽器としては比較的多く、鍵盤ボタンや糸巻など小さな金具までの取り付けを合わせて50工程以上になります。
まずはじめに、本体にドレミファの音階を奏でるためのフレットを専用の機械で正確に差し込んで行きハンマーで微調整をしながら一定の高さに揃えます。
その後フレットに手作業で溝付けを行います。
大正琴の構造は鍵盤レバーの金具で各フレットごとに太さの異なる弦を同時に押さえるため、この工程はとてもデリケートな作業になります。わずかなことが楽器の音に影響します。
次に糸巻やテールピースなど各部品を取り付けます。
楽器本体に天然木を使用しているので一台一台わずかに異なり、金具の取り付け作業や加工の際の最終の微調整はやはり人の感覚と経験が必要になります。 |
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各部品を取り付けたら弦を張り、音の響きを確認しながら音合わせを行います。
美しいアコースティックな音色を奏でるために弦の巻線にはナルダンオリジナルの銀メッキ線を使用します。
最終工程は鍵盤の付いた天板を本体に取り付けます。どんなに良い材を使ってもこの取り付けの角度によって音の善し悪しに大きく影響するためこの作業は最も集中して取り組みます。
高音から低音までどの鍵盤を押しても鍵盤レバーがすべての弦に一定に押さえられているか、1音1音を目と耳で慎重に確認しながら取り付け調整します。
最後に調弦をして実際に音が正確に鳴るのかを全体の音を試奏しながら確認して大正琴の完成です。
まさに大正琴の産声の誕生です!
こうして心を込めて作られた大正琴が皆様の元へ嫁入りし、いつまでも愛されることはとても光栄なことです。
ナルダンではメンテナンスも自社工房で行っており、お客様から長年に渡って使い 慣らされた大正琴をお預かりすると、音が育てられている、とても味わいのある音色に出会うことがあります。弾く方の楽器への愛情が感じられ、里帰りをした子どものように作りとしては感慨深いものがあります。 |
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大正元年に誕生した日本の楽器大正琴も100年以上が経ちました。大正琴発祥の地名古屋にて、創業60余年のナルダン楽器3代目大正琴職人として大正琴製作に携われることを心から嬉しく思います。
名古屋城の麓名古屋市西区は名古屋友禅や名古屋扇子など伝統的なものづくりが盛んな地域です。
今後は、地元の材料を使った大正琴にも取り組みながら、日本全国に100万人いるといわれる大正琴ファンを始め、海外にも日本の伝統的文化として大正琴をアピールできるものづくりを目指して努力して参りたいと思います。 |
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